ルッコラ(ロケット) ピリッとした辛さとゴマの風味がおいしい
園芸研究家●成松次郎

ゴマの香りとクレソンに似た辛さがあり、若く柔らかい葉はサラダや肉の付け合わせ、ピザのトッピングなどに使われます。茎の周辺に葉の直立する姿がロケットのように見えることから「ロケット」とも呼ばれています。
[栽培時期]発芽適温は20~25度、生育には15~25度が適し、低温期は生育が衰えます。冬を除き、ほぼ周年栽培ができますが、盛夏期は遮光ネット(20%)を使った暑さ対策が必要です。春〜秋まきでは30~40日で収穫できますが、晩秋まきでは収穫まで60日以上となります。霜には強くないので、不織布でべたがけをして防寒します。
[品種]各社から「ルッコラ」または「ロケット」として販売されています。なお、ルッコラの野生種といわれるセルバチコには、葉が細くとがり香りが特に強い品種「ローマ」(トキタ種苗)もあります。
[畑の準備]種まきまたは植え付け2週間前までに、1平方m当たり苦土石灰100gを菜園全体に散布し耕しておきます。1週間前までに堆肥1kgと化成肥料(NPK各成分10%)100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます(図1)。ルッコラは野生に近く肥料が多いと香りが弱くなりがちです。

[種まき]幅70~80cm、高さ5~10cmのベッドを作ります。次に、板切れなどで直角方向に幅20cm間隔の浅い種まき溝を作り、この溝に約1cm間隔に筋まきします(図2)。種は小さいので、種が隠れる程度(5、6mm)に薄く覆土します。不織布のべたがけで幼苗を保護しましょう(図3)。7~10日間隔にまき日をずらせば、長い間収穫を楽しめます。なお、苗作りをする場合は、128穴のセルトレーに1セル4、5粒を種まきし、発芽後は間引きして本葉約3枚の植え付け苗に仕上げます。苗は5、6cm間隔に植え付けます。


[間引き・灌水(かんすい)]1回目は発芽後、葉が重ならない程度に順次間引き、2回目は本葉約2枚のときに5、6cmくらいにします(図4)。畑が乾燥すると葉が堅くなりやすいので、適宜灌水します。

[病害虫の防除]周年にわたりキスジノミハムシ、コナガ、アオムシ、アブラムシの被害を受けやすいので、目の細かい防虫ネットを使用したトンネル栽培がお薦めです。
[収穫]葉が柔らかいうちの若取りが良く、葉の長さが20~25cmのときが収穫適期で、株ごと抜き取ります(図5)。なお、外葉から1枚ずつ摘み取れば、長い間収穫を楽しめます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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