カブのトンネル栽培 適切な温度管理を心掛ける
園芸研究家●成松次郎
カブは、暑さと乾燥に弱いが、寒さには強いという特徴があります。温暖地の露地栽培は3、4月まきになりますが、トンネル栽培では2月まきができます。生育促進と、とう立ち防止にマルチ、べた掛け、トンネル資材での保温が必要です。
[品種]
低温肥大の良い「白鷹」(武蔵野種苗園)、「ゆきわらし」(カネコ種苗)、周年安定した生育をする「耐病ひかり」(タキイ種苗)などがあります。
[畑の準備]
種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gを全面にまき、深く耕しておきます。1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥1~2kgをまいてよく混和しておきます(図1)。
[畝立て]
幅70~80cm、高さ5~10cmのベッド(栽培床)を作り、平らにならします。畑が乾燥しているときは、灌水(かんすい)して土壌水分が適度な状態にし、15cm間隔の穴開きシートでマルチをします(図2)。
[種まき]
種は1穴当たり4、5粒をまき、1cmほど土を掛けます(図3)。その後は、発芽促進と幼苗の保温のために、べた掛けとトンネルをします(図4)。
[間引き]
発芽し、双葉がそろった時点で、密になっている部分を間引きます。その後も、生育の劣る株を間引き、最終的に1株立ちにします。
[トンネルの被覆と換気]
冷涼地や温暖地の2、3月はまだ夜温は低いが、昼間のトンネル内は高くなるため、本葉1、2枚の頃から換気を開始します。フィルムの裾を開閉する方法、フィルムに穴を開ける方法や穴開きフィルムを使う方法があります。そして、生育後半にトンネル内の茎葉が繁茂する頃、遅くてもヤエザクラの開花の頃にトンネルを除きます。
[収穫]
直径5、6cmから収穫(小カブ)を始め、10~12cm(中カブ)まで収穫期間があります(図5)。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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