ゴーヤー(ニガウリ) 緑のカーテンにも最適
園芸研究家●成松次郎
野菜の中でも、暑いほど生育が旺盛なゴーヤーは特有の苦味が特徴の夏の健康野菜です。苦味の成分はモモルデシンという物質で、胃液の分泌を促し食欲を増進し、栄養成分ではビタミンCが特に多く、カロテンとミネラルも豊富です。
[品種]
果実の形状と色で、濃緑色で中長型の「えらぶ」(八江農芸)、短太型の「沖縄あばしゴーヤー」(フタバ種苗)など、白い果実の品種もあります。
[畑の準備]
日当たりの良い場所を選び、事前に1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、植え付けの1週間前には化成肥料(NPK各成分10%)200gと堆肥2kgを全面散布し、よく耕しておき、120cm幅のベッドを作ります。
[苗作り]
種の皮は堅く吸水しにくいので、ペンチで傷を付け1晩水に浸して十分吸水させます。高温性で、発芽に25度以上は必要なので、5~6月まきが適します。種まきは、直径9cm程度のポリポットに3粒まき、本葉1~2枚の頃に1本に間引き、本葉3~4枚の頃に植え付けます(図1)。
[植え付け]
条間80~90cm、株間80~100cmに植え付けます(図2)。
[支柱立て]
つる性なので早めに支柱を立て、これに誘引します。支柱は合掌式に組み、ネットを張れば、つる先が絡まり安定します。初期につるを誘引し、後は放任でもたくさんの果実を収穫できます。コンパクトに育てるには、親づるを4~5枚で摘心し、脇から出る子づるは5~7枚で摘心して孫づるを出させます。なお、生育は大変旺盛なので、日よけ棚作りにも向いています(図3)。
[追肥]
果実がなり始めたら、月に1~2回、1株当たり10gくらいの化成肥料を株の周囲に施します。
[収穫]
開花後15~20日で、果実の形が完成し、果皮につやが現れるまでに、早めに収穫します。取り遅れると、果実は黄~だいだい色に変色し、完熟するとアケビのように果実が割れ、赤い種が見えてきます。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
- 種の発芽条件と種まきのこつ
- パイプハウスを建てて、冬でも野菜を作ろう
- 緑肥と対抗植物 栽培環境を改善
- スイスチャード カラフルな葉は観賞用にも
- 夏の高温&風雨対策のポイント
- スイートコーンの抑制栽培 害虫対策を万全に
- 芽キャベツ 追肥と摘葉で大球を作る
- キュウリ 追肥・水やりで長期収穫
- ゴマ 暑さと乾燥に強い香味作物
- 小玉スイカ 甘みが強く手頃な大きさ
- 春まきキャベツ 育苗管理が肝心
- 菜園の土壌管理 野菜の種類に合わせた土づくり
- 寒起こしと天地返し 農閑期に行う土づくり
- 小松菜のトンネル栽培 寒さでうま味が増加
- ラディッシュ サラダの彩りに
- サイシン 夏に強い中国野菜
- ナバナ 春に先駆けて季節を味わう
- トレビス 苗作りは十分な灌水を
- ニンジン 適期の種まきと灌水で発芽を万全に
- ケール 害虫の予防を万全に
- シソ さまざまな用途を楽しむ
- リーキ トロリとした食感を楽しむ
- 品種の選び方 野菜作りの第一歩
- ホウレンソウのトンネル栽培 冬の寒さでおいしさアップ
- チンゲンサイ シャキシャキとした歯触りを楽しむ
- 余った種を保存 乾燥と低温で
- 葉ダイコン 防虫ネットで虫害を回避
- タアサイ 霜に当たるとおいしさが増す
- カラシナ ピリッとした辛みを楽しむ
- カリフラワー 純白な花蕾を適期に収穫
- ラッカセイ ゆでれば甘く、煎(い)れば香ばしい
- カボチャ 強健で育てやすい
- ルバーブ 香気と酸味のあるジャムを楽しむ
- ニラ 長い期間収穫を楽しむ
- カブのトンネル栽培 適切な温度管理を心掛ける
- 畑仕事に便利な農具 快適で楽しい作業にするために
- ソラマメ マメ科野菜の連作を避ける
- ニンニク 適期に植え付け、追肥と灌水を行う
- シュンギク 収穫後に花も楽しもう
- ミズナ(キョウナ) 小株から大株まで楽しむ
- ブロッコリー 側花蕾を春まで取り続ける
- ゴーヤー(ニガウリ) 緑のカーテンにも最適
- トマト 完熟でおいしさアップ
- ミツバ 香りが良く、お吸い物に重宝
- ニンジンのトンネル栽培 とう立ちさせない温度管理を
- 落ち葉堆肥と生ごみ堆肥
- 野菜の保存・貯蔵 温度・湿度に配慮して
- コマツナ べた掛け資材で害虫を防ぐ
- カブ 適期に間引きを行う
- エンドウ マメ科の連作に注意
- 小松菜のトンネル栽培 寒さでうま味が増加