スイスチャード カラフルな葉は観賞用にも
園芸研究家●成松次郎
スイスチャードは和名をフダンソウ(不断草)といい、ホウレンソウと同じアカザ科の野菜で、おひたし・あえ物・炒め物に利用します。
生育適温は15~20度ですが、暑さ・寒さに強く、ホウレンソウの作りにくい夏に容易に栽培ができます。このように、フダンソウの名前は季節を問わず絶え間なく栽培できることに由来します。中間地では、春まきは4月に種まきし、5、6月に収穫し、夏まきは7月にまいて8月に収穫できます。秋まきは10月に種まきし、12月から下葉をかきながら収穫を始めます。
[品種]「アイデアル」(サカタのタネ)、「ブライトライト」(タキイ種苗)は葉柄、葉脈が赤、白、黄色などに着色します。フダンソウと呼ばれる品種には、「ふだん草」「うまい菜」などがあります。
[畑の準備]事前に1平方m当たり苦土石灰150gを予定の畑に散布して耕しておきます(図1)。その後、化成肥料200gと堆肥2kgを施し、床幅90cmの栽培床を作ります。
[種まき]10~30度で発芽し、適温は25度程度です。じかまきでは条間20cm程度、株間5cm程度の間隔で1カ所に3、4粒を種まきします(図2)。1粒の種(種球)から2、3本発芽するので、厚まきしないよう気を付けましょう。種まき後は、不織布でべたがけをして、幼苗を保護すると良いでしょう。苗作りをする場合はセルトレーや小型ポットを使い、本葉5、6枚まで育て、栽培床に条間20cm程度、株間15cm程度に植え付けます。
[間引き・追肥]発芽後2、3回に分けて間引きます。初めは本葉が開く頃に、生長の遅れた株や密になっている所の株を抜き取ります。最後の間引きで本葉4、5枚の頃に株間15cm程度にします。このとき追肥として化成肥料は1平方m当たり30g程度を条間に施して根元に軽く土寄せします。
[収穫]えぐみの少ない若取りを心がけ、春まきで種まき後40~50日、夏まきで30~40日、秋まきでは40~60日で、草丈が20cmくらいから収穫します(図3)。下葉からかき取って利用すると、長い間楽しめます。カラフルな品種を観賞用とするときは、葉の長さを40~50cmまで大きくすると良いでしょう。また、秋まきでは冬に向かうにつれ、葉が鮮やかに着色します。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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