コールラビ 肥大した茎を利用する野菜
園芸研究家●成松次郎

コールラビは地中海北岸原産のアブラナ科野菜で、茎の基部が球形に肥大するので、別名を球茎甘藍(キュウケイカンラン)とも呼ばれます。キャベツから分化した野菜のため似た性質を持ちますが、キャベツより暑さや寒さに強く、作りやすい野菜です。
中間地の秋まきは、7月下旬~9月上旬に種まきし、9~12月に収穫します。春まきは3、4月にまいて、6、7月に収穫します。
[品種] 球の色が緑白の「グランドデューク」(タキイ種苗)、紫の「パープルデューク」(タキイ種苗)などがあります。
[畑の準備] あらかじめ畑1平方m当たりに苦土石灰100gを土とよく混ぜておき、植え付け(または種まき)1週間前に畝幅70~80cm、深さ15~20cmの溝を掘ります。次に、この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分10%程度)100gと堆肥1kg程度を施し、土を戻して畝を立てます(図1)。

[種まき・苗作り] 苗作りをするには、7・5~9cmポリポットに種を4、5粒まき、発芽後に適宜密生部を間引き、1本立ちにして本葉4、5枚まで育てます(図2)。強健な野菜なので畑にじかまきしても良いでしょう。この場合は種を2、3cm間隔にまいて、間引きながら最終株間を約20cmにします。

[植え付け] 本葉4、5枚の頃、株間を約20cmに植え付けます(図3)。このとき植え穴に十分水を注ぎ、植え傷みの少ないようにします。

[追肥・土寄せ] 追肥は植え付け後20日ごろ、株元に化成肥料を1株約10g施用し、土寄せします(図4)。2回目は球が肥大する頃に施用します。生育が進み、下葉が傷んでいたら切り落としても良いでしょう。
[病害虫の防除] ヨトウムシ、コナガなどが多いので、登録農薬で駆除します。生育初期は、寒冷しゃなどの防虫ネットでトンネル被覆し、害虫の被害を防ぐと良いでしょう。

[収穫] 球の直径が5~10cmのときに、株元から刈り取って収穫します(図5)。球が大きくなると肉質が堅くなります。堅い皮はむいて薄くスライスし、サラダなどにします。また、さいころ状に刻んで、スープ、ポトフなどでいただきます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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