芽キャベツ 追肥と摘葉で大球を作る
園芸研究家●成松次郎
アブラナ科野菜で太い茎にキャベツの形状をした小さい球がぎっしりと付く様子から、コモチカンラン(子持ち甘藍)とも呼ばれます。キャベツから分化したため、似た性質を持ちます。生育適温は18~22度ですが、寒さには強い半面、暑さに弱い野菜です。小さい球を芽球(がきゅう)といい、5~20度でよく締まった球が形成されます。中間地での栽培時期は、7月に種をまき、収穫期は12~3月です。
[品種]「早生子持」(タキイ種苗)、「ファミリーセブン」(サカタのタネ)などがあります。なお、球状の芽球を作らない「プチヴェール」(増田採種場)は、家庭菜園向きの品種です。
[苗作り]少ない本数の苗では、直径9cmのポリポットに種を直接まき、間引いて1本にするのが便利です。多くの苗を作るときは、セルトレーを使用し、発芽後に密生部を間引き、本葉2、3枚で9cmのポットに鉢上げします。苗作りの期間は、防虫ネットで被覆します。
[畑の準備]畑1平方m当たり苦土石灰100gを土とよく混ぜておき、その後、畝幅90cmを取り、中央に幅20~30cmの溝を掘り、溝1m当たり化成肥料100gと堆肥2kgを施し、畝を立てます(図1)。
[植え付け]本葉5、6枚の頃、株間50cm程度に植え付けます(図2)。事前に植え穴に十分水を注ぎ、植え傷みの少ないようにします。
[追肥・摘葉]追肥は植え付け後、月に1回、畝の肩に1株当たり化成肥料10gをまいて、株元に土寄せします。株が倒れないよう支柱を立てて誘引します。晩秋には、老化した下葉を4、5枚取り除きます。さらに、芽球が大きくなってきたら、下葉数枚の葉柄を4、5cm残して切り取ると、大球を作ることができます(図3)。
[害虫の防除]ヨトウムシ、コナガなどは、比較的安全なBT剤で駆除します。アブラムシには粘着くん液剤などを散布します。なお、株の小さいうちは、防虫ネットでトンネル栽培し、害虫の被害を防ぎます。
[収穫]固く締まった芽球をもぎ取ります。芽球の直径2・5~3cmが良品です。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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