カリフラワー 純白な花蕾を適期に収穫
園芸研究家●成松次郎
カリフラワーの生育適温は15~20度といわれ、耐暑性、耐寒性のある野菜です。夏まき・秋冬取りが一年で最も作りやすい時期で、温暖地では7月中旬~8月下旬が種まき期です。
[品種]
カリフラワーは花蕾(からい)ができるには、茎葉の大きさとある程度の低温が関係し、中生品種は早生品種に比べ、より進んだ生育と、より低い温度が必要です。そのため、長い間の収穫を楽しむには品種の使い分けが必要です。早生品種では「バロック」(サカタのタネ)、「スノークラウン」(タキイ種苗)、「雪まつり」(武蔵野種苗園)など、中生品種では「輝月」(野崎採種場)、「スノードレス」(タキイ種苗)などがあります。茎葉と花蕾がコンパクトな「美星」(サカタのタネ)、スティック状に花茎が伸びる「カリフローレ」(トキタ種苗)など、ユニークな品種もあります。
[苗作り]
直径7・5~9cmのポリポットを使い1ポット当たり4~5粒をまき、子葉展開時に密生部を間引き、本葉2~3枚で1株に間引き、本葉5~6枚まで育てます。128穴のセルトレイでは1穴2粒まき、間引いて本葉3~4枚まで育てます(図1)。育苗期間中は、防虫ネットのトンネル被覆で害虫の飛来を防ぎます。
[畑の準備]
植え付け2週間前に、1平方m当たり苦土石灰100gをまいて、深く土を耕しておきます。1週間前に畝幅70~80cm、深さ15~20cmの溝を掘り、この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100g程度と堆肥2kgを施し、土を戻してよく混ぜて畝を作ります(図2)。
[植え付け]
本葉5~6枚の頃、株間40~45cm程度に植え付けます(図3)。植え傷みが起こらないように、植え穴には十分水を注いでおきましょう。
[追肥]
植え付け20日後ごろに畝の片側に化成肥料を畝1m当たり50gくらいまいて、土寄せします。その20日後ごろに畝の反対側に同量を施用します(図4)。
[病害虫の防除]
ヨトウムシ、コナガなどが多いので「トアロー水和剤CT」などで駆除します。
[収穫]
花蕾が見えたら、花蕾に日焼けや汚れが付かないように、外葉の1~2枚を内側に折って花蕾に載せます(図5)。花蕾が12cm以上の大きさになり、つぼみの表面が緻密なうちに、外葉を6~7枚付けて切り取ります(図6)。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
- ゴマ 暑さと乾燥に強い香味作物
- 小玉スイカ 甘みが強く手頃な大きさ
- 春まきキャベツ 育苗管理が肝心
- 菜園の土壌管理 野菜の種類に合わせた土づくり
- 寒起こしと天地返し 農閑期に行う土づくり
- 小松菜のトンネル栽培 寒さでうま味が増加
- ラディッシュ サラダの彩りに
- サイシン 夏に強い中国野菜
- ナバナ 春に先駆けて季節を味わう
- トレビス 苗作りは十分な灌水を
- ニンジン 適期の種まきと灌水で発芽を万全に
- ケール 害虫の予防を万全に
- シソ さまざまな用途を楽しむ
- リーキ トロリとした食感を楽しむ
- 品種の選び方 野菜作りの第一歩
- ホウレンソウのトンネル栽培 冬の寒さでおいしさアップ
- チンゲンサイ シャキシャキとした歯触りを楽しむ
- 余った種を保存 乾燥と低温で
- 葉ダイコン 防虫ネットで虫害を回避
- タアサイ 霜に当たるとおいしさが増す
- カラシナ ピリッとした辛みを楽しむ
- カリフラワー 純白な花蕾を適期に収穫
- ラッカセイ ゆでれば甘く、煎(い)れば香ばしい
- カボチャ 強健で育てやすい
- ルバーブ 香気と酸味のあるジャムを楽しむ
- ニラ 長い期間収穫を楽しむ
- カブのトンネル栽培 適切な温度管理を心掛ける
- 畑仕事に便利な農具 快適で楽しい作業にするために
- ソラマメ マメ科野菜の連作を避ける
- ニンニク 適期に植え付け、追肥と灌水を行う
- シュンギク 収穫後に花も楽しもう
- ミズナ(キョウナ) 小株から大株まで楽しむ
- ブロッコリー 側花蕾を春まで取り続ける
- ゴーヤー(ニガウリ) 緑のカーテンにも最適
- トマト 完熟でおいしさアップ
- ミツバ 香りが良く、お吸い物に重宝
- ニンジンのトンネル栽培 とう立ちさせない温度管理を
- 落ち葉堆肥と生ごみ堆肥
- 野菜の保存・貯蔵 温度・湿度に配慮して
- コマツナ べた掛け資材で害虫を防ぐ
- カブ 適期に間引きを行う
- エンドウ マメ科の連作に注意
- 小松菜のトンネル栽培 寒さでうま味が増加