シソ さまざまな用途を楽しむ
園芸研究家●成松次郎
青ジソの若葉は大葉と呼ばれ薬味や精進揚げに、赤ジソの葉は梅漬けに利用されます。シソの発芽適温は20~25度、生育適温は20~23度で、低温には弱いが高温には強い野菜です。また、シソは短日期(昼の時間が夜の時間より短い季節)に花を付ける性質があり、9月ごろから穂が出てきます。シソは生育に応じて収穫方法が変わり、子葉、若葉、花穂、未熟果はそれぞれ芽ジソ、大葉、穂ジソ、実ジソと呼んでいます。これを、シソの七変化といいます。
[品種]
大葉の品種は、葉色が鮮緑色で広卵形をして大きく、葉縁の欠刻が深く、葉面に細かい縮みがある「青しそ」「青ちりめん」があります。赤ジソの葉取り用は「赤ちりめん」など葉色が赤紫色で葉形の大きい品種を用います。
[苗作り]
直径7・5~9cmの小型ポリポットに4、5粒の種をまきます。セルトレーでは72穴のトレーを使い、2、3粒まきます(図1)。
発芽後2回に分けて間引き、1回目は本葉が開く頃に、成長の遅れた株、密になっている所の株を抜き取ります。2回目は本葉3枚の頃に1本にします。
[畑の準備]
幅70~80cm幅のベッド(栽培床)で栽培する場合には、事前に1平方m当たり苦土石灰150gを菜園全体に散布して耕しておきます。その後、堆肥2kgと化成肥料(NPK各成分10%)200gを施します(図2)。
[植え付け・追肥]
本葉5、6枚になったら、条間40cm、株間30cmに植え付けます(図3)。その後2週間おきに1平方m当たり30g程度の化成肥料を条間にまき、根元に軽く土寄せします。
[病害虫の防除]
病気はほとんどありませんが、害虫ではハダニ、ハスモンヨトウなどがあり、アファーム乳剤などの登録農薬で防除をします。
[収穫]
葉が10枚以上になってから、下の方の葉の付け根からもぎ取るように摘み取ります。収穫するとしおれが早いので、水に挿しておきましょう。穂ジソの収穫期は先端の花穂が5、6輪開花している頃に穂先から15~20cmで切り取ります(図4)。赤ジソは紫、青ジソには白い花が付きます。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
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