私の食育日記 <JA広報通信より>
おいしさの要因
食育インストラクター●岡村麻純
先日、娘が幼稚園のお泊まり保育へ行ってきました。初めて親と離れての寝泊まりでしたが、笑顔で帰ってきました。そして、普段カレーが苦手な娘が「ホテルで食べたカレーはすごくおいしかった。お代わりしたよ」と本人も驚いて教えてくれました。確かにホテルのカレーはおいしいですが、娘にとっておいしかったのは、その味だけでなく、友達ときれいな景色を見ながら食べたというシチュエーションも関係しているように思います。そもそもおいしさとは、人それぞれ違う、主観的なものです。そして、おいしいと感じるには、「食物の特性」「人の特性」「環境要因」の三つが影響しています。
まず「食物の特性」とは、その食べ物が持つ特徴、つまり、匂い、味、見た目や歯応えなどのことです。一見、この「食物の特性」がおいしさの全てを決めているように感じますが、それだけではありません。
もう一つは「人の特性」です。年齢やその人の健康状態、空腹の程度などもおいしさに大きく影響します。おなかを空かせて食べたものが何よりもおいしかったという経験があるかと思います。他にも、緊張している場ではおいしさを感じづらい、逆に親しい友人と楽しく過ごしながらの食事はおいしく感じるというのも、この「人の特性」です。
そして最後の「環境要因」とは食べるときの環境のことです。暑い夏に食べるそうめん、おしゃれなカフェで食べるパンケーキ、これらがおいしく感じるのも「環境要因」がプラスされていると考えられます。また、きれいな食卓で食べるのと、汚れて荒れ果てた食卓で食べるのとでもおいしさは変わってきます。
このように、おいしいと感じるのは食べ物の持つ特性だけではありません。毎日、湖の近くのホテルのような特別な環境をつくることはできませんが、わが家の食卓が温かく楽しい空間であればと思います。その環境がおいしさの要因となり、好きなものが増えてくれることを願い食事の時間を過ごしています。
岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/
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